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会長挨拶

社河内 敏彦
SHAKOUCHI Toshihiko

この度、会員の皆様より日本混相流学会会長にご推挙いただき誠に光栄に存じます。矢部前会長の意向を受け継ぎ、三島筆頭副会長、功刀・斎藤両副会長、並びに理事・役員の皆様のご協力を得て本学会の発展に全力を挙げて臨む所存でおります。

本学会は混相流についての学問的基礎から実際の工学的、工業的応用までの幅広い領域をカバーしており、また、本学会および会員のそれらへの寄与、貢献は誠に大きいものがあります。例えば、現在大きな問題になっております環境・エネルギー問題に限ってみてもその重要性・意義は計り知れないものがあります。

本学会の現状を考えてみますと、法人化、財政基盤の強化、会員増強・投稿論文の確保などの問題を抱えてはおりますが、下記に示す種々の活動が活発に行われています。

* 講演会:
・年会講演会
・混相流シンポジウム(主催:日本学術会議)
・混相流に関する国際会議
 ICMF(International Conference on MultiphaseFlow)、日欧二相流専門家会議、混相流計測技術
 国際シンポジウム、日米混相流会議、など

* 講習会:
・混相流レクチャーシリーズ
・オーガナイズド混相流フォーラム、OMF
・混相流リエゾン専門委員会、マイクロバブル・ナノバブル基礎技術セミナー
・学生会セミナー、など

* 研究会、分科会:
・3件の研究会、16件の研究企画委員会・分科会、など

* 学会誌、論文集:
・会誌「混相流」
・「論文精選集」
 今年度より「混相流」、第5号「混相流‐論文精選集‐」として発刊予定
・年会講演会講演論文集
・国際会議、ICMFなどのプロシーディング
・ICeM(The International Information Center for Multiphase Flow )ニュースレター
・各種専門書の発刊、など

ところで、こうした学会内外の状況を鑑み中長期的視野、展望に立って現下に学会として成すべき事項を考えますと、以下のことになろうかと存じます。

1.学会活動の一層の活発化
上記学会活動の一層の活発化を図り、会員にとってより魅力のあるものとする。

2.英文ジャーナルの発刊
学会にとって研究成果、論文の公表は、言うまでもなく重要事項であります。本学会ではそれを、会誌「混相流」、「論文精選集」および各種プロシーディングなどを通じて実施しています。しかし、それらのほとんど全ては和文によるものであり、時代を考えますと英文によるジャーナルもあって良いと思われます。

本学会では、従来、上記のようにICMFを初め幾つかの混相流に関する国際会議を開催していますので、これらへの投稿論文をもとに英文ジャーナル(例えば、”Journal of Multiphase Flow Research” を電子ジャーナル、J-Stage で)の発刊を検討し、予定することといたします。

3.法人化に対する的確な対応
なお、現在、学術団体はその形態を平成25年11月末までに、公益法人、一般法人、或いは任意団体の何れかにすることを求められております。それぞれ、組織、経費の問題がありますので本学会の現状と将来を勘案し的確に対応する所存です。/p>

4.会員増強、健全財政
現下は昨年来の大変な経済危機下にあり学会活動に対して企業の方々の協力も得難い状況でありますが、先にも述べましたように本学会は混相流についての学問的基礎から実際の工学的、工業的応用までの幅広い領域をカバーしており、また、本学会、及び会員のそれらへの寄与、貢献は誠に大きいものがあります。これらのことは企業の方々にとっても誠に有意であると考えます。勿論、企業の方々の学会へのご参画、ご活躍は本学会にとりましても大変な刺激となり誠に有意であります。大学、公設の研究所のみならず企業の方々の本学会への一層のご参画、ご活躍をお願い申し上げ、もって、会員増強をも図りたいと存じます。

本学会は多数の会員を抱える大きな学会とは言えませんが、多くの優秀な大学、研究所、企業の研究者、技術者の方々がおられ、また本学会の対象とする混相流は学問分野としてだけでなく、多くの産業分野で利用される重要な領域であります。また、現象が複雑なため未知の事項が多く、基礎的、実際的な研究、技術開発が待たれており、大変楽しみな学問、研究分野と言えます。大学と産業界との協力、共同研究が待たれる由縁でもあります。

本学会への一層のご支援、ご協力を何卒宜しくお願い申し上げます。

三重大学大学院工学研究科機械工学専攻  〒514-8507 三重県津市栗真町屋町1577

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