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会長挨拶

三島 嘉一郎
MISHIMA Kaichiro

この度、日本混相流学会会長に指名され、大変光栄に存じますと同時に、その責任の重さに身の引き締まる思いが致します。社河内前会長のご意向を受け継ぎ、理事・役員そして会員の皆様のご協力を得て、微力ながら本学会の発展に全力を尽くす所存です。

日本混相流学会は、学会ホームページに掲載の沿革にもありますように、日本学術会議との緊密な連携の下、設立準備がなされ、「混相流に関する学術の振興および関連する技術の開発と応用を促進し、その発展を図るとともに、国内外における会員相互および国際的な連絡を図ること」を目的として1987年に設立されました。以来20年余、自然科学全般にまたがる幅広い学術分野の研究者・技術者が集う学会として発展し、今日に至っています。

そして今日、エネルギー問題と地球温暖化の問題が持続可能な社会の実現に向けて大きな課題となっています。これらの問題の解決には、高度な専門性と同時に、複雑に絡み合った課題を総合的・俯瞰的に見る視点が必要です。当学会および会員は、横断的学術分野という特長を活かし、これらの課題に様々な角度から取り組む専門家集団として、人類社会が直面する問題に対して情報交換し、社会に向かって情報発信し、人材育成に努めることによって、持続可能な社会の実現に貢献できると考えます。

当学会は、学会誌・論文集の発行、講演会・講習会、研究会等の活動を通じて情報発信し、人材育成に努めてきました。しかし現状では様々な課題を抱えています。社河内前会長から引継いだ課題のうち主なものを以下に述べます。

法人化
これについては、これまで会長と事務局とで資料を収集し、理事会で議論してきましたが、新たに理事会に検討委員会を設け、事務局も交えて検討することとしています。なお、法人化への準備段階として、今年度より財務諸表を作成し、学会誌に掲載することとしました。

英文ジャーナルの発行
当学会からの情報発信は、学会誌・論文集の発行や講演会・講習会の開催などの形でなされています。国際的な情報発信としてICeM Newsletterがありますが、さらに英文ジャーナルの発行について前年度に引き続き検討します。J-Stageへの掲載など具体的な提案がなされていますが、発行体制や論文集との関係などの課題もあり、これらについても検討したうえで結論を出す必要があります。

日本学術会議主催混相流シンポジウム
従来、同シンポジウムは当学会が幹事学会となって開催してきましたが、日本学術会議の組織替えもあり、状況の変化に対応して開催の仕方を見直してはどうかというご意見があります。これに関して、今年7月に開催された第29回混相流シンポジウムにおいて日本学術会議会員の先生方から、同会議の状況や当学会に対する想いが学会員に伝えられたのは大変有意義だったと思います。さらに、同会議会員と学会理事との懇談会を開催し、これまでの経緯など事情をよく理解した上で状況の変化をも考慮して、結論を出したいと思います。

会員増強・投稿論文数の増加
会員数は昨年微増し、ここ数年続いた減少傾向に歯止めがかかったようにも見受けられますが、引き続き会員増強の方策を検討することとしています。また、学会誌への投稿論文数の増加についてもさらに努力する必要があります。これらについては、混相流が自然科学全般にまたがる横断的な学術分野であるということから、逆に、魅力ある学会としてのアイデンティティが薄れているのではないかと思います。

当学会へのなお一層のご支援、ご協力を、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

株式会社原子力安全システム研究所  〒919-1205 福井県三方郡美浜町佐田64

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