TOP > 学会紹介 > 歴代学会長 > 会長挨拶

会長挨拶

佐田富 道雄
SADATOMI Michio

日本混相流学会の第25代会長にご指名いただき、光栄に存じますと共に、責任の重さを痛感しております。前会長の三島嘉一郎先生を始めとする諸先生方が築かれました当学会の良さを守るとともに少しでも発展させるために、力のある副会長・理事・各種委員長の先生方のお知恵をいただきながら、微力を尽くしたいと考えています。

さて、混相流学会はご存知のように機械、原子力、土木、化学工学などの幅広い分野の研究者が集って境界領域の学問を学ぶことができ、年会講演会には会員の約半数が参加するという小粒ながら意欲に溢れる学会です。私は、学会発足時からほぼ毎年、年会講演会に参加させていただいております。この間、エネルギー環境問題に関わる研究という見方では、一貫してその方向の研究が進展しているように見受けられます。しかしながら、前会長の三島先生から戴きました引き継ぎ資料には、①会員増強、②行事企画、③情報発信、④法人化について、⑤会計について、⑥東日本大震災及び福島第一原子力発電所事故への対応、⑦混相流研究分野のロードマップ策定、という多くの課題が書かれています。

会員数は2005年6月末の670名をピークとしてこの6年間で約100名減りました。最近、発電関係企業所属の若い研究者の参加が少なくなってきているように思われます。社会にゆとりが無くなったせいであれば私共の手に負えないことですが、当学会の魅力低下が原因であるとすれば改善に努めなければなりません。会員数減少の原因を探るべく、2005年と2011年の年会をOS名等ごとの講演数で比較してみました。

名等 2005年 2011年
原子力(原子炉二相流解析,混相流技術の応用など 26件 10件
水処理、マイクロナノバブル 25件 37件
混相流の産業利用、リエゾン 22件 15件
マイクロシステム、マイクロ・ミニスケールの混相流 18件 13件
粒子系混相流 17件 15件
自然現象 16件 8件
超音波、光、PTV/PIV計測 16件 19件
濡れ性 15件 13件
数値解析 12件 16件
混相噴流 12件 9件
混相流の物理・ダイナミクス・界面現象 15件 33件
微小重力下の二相流 10件 14件
相変化を伴う混相流 9件 10件
機能性流体、サステナブル異分野融合の混相流 9件 13件
沸騰二相流、微粒化 10件 0件

原子力と自然現象の件数が半減以下になったのは東日本大震災の影響と考えられ、会員数減少の主因ではなさそうです。むしろ、2011年会の特別セッション「東日本大震災の地震と津波被害について考える(座長:名古屋大学川崎浩司先生)」では30~40代の若い講師の熱意に圧倒され、我が国の復興・発展は間違いないと確信しました。 課題①~⑦につきましては、理事会で検討して参りますので、忌憚のないご意見を私あるいはお知り合いの理事までお寄せ下さい。何卒、ご助言・ご支援のほど宜しくお願い致します。

熊本大学大学院自然科学研究科 〒860-8555 熊本県熊本市黒髪2–39–1

▲ページ上部に戻る