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会長挨拶

矢部 彰
YABE Akira

このたび、日本混相流学会の会長に就任いたしました(独)産業技術総合研究所の矢部彰でございます。我々の若い頃に、大先輩の先生方が一生懸命作られていた日本混相流学会も、20年の歴史を持つ学会となりました。このたび、会長に就任いたしますことは、とても名誉なことでありますが、伝統ある学会を発展させるうえで大きな責任を感じております。

現在の日本混相流学会の目指すべき大きな目標としては、日本混相流学会が、社会の中でより存在感を増し、企業の方々からより信頼され、期待される学会になることが挙げられると思います。そのための基盤確立のため、3つのことを特に推進したいと考えております。

一つ目は、最も基盤的なものですが、学問的に厳しい活発な議論をする場を提供することであると思います。8月の会津大学での全国大会でも、真剣で厳しい議論が実現できていると思います。この点は、議論がさらに大事にされ、もっともっと議論の時間を作り出せるように、議論が盛り上がるように、今の雰囲気をより活発化していきたいと思います。

二つ目は、日本混相流学会の場を活用したヒューマンネットワークの確立を、より促進したいと思います。ヒューマンネットワーク確立の第一の段階としては、若い人達が、お互いが研究上のライバルとなって、刺激を受け合う友人となることであり、第二の段階としては、中堅の方々が、一緒になって協力して、共同研究をしたり、一緒に外部資金を獲得し合う仲間になることであり、さらには、第三の段階としては、指導する立場の方々が、混相流研究をしている仲間として、お互い協力して、社会に対して混相流研究の重要性を示しながら、社会にいろいろな技術を作り出して提供していくことであると思います。

21世紀には循環型社会を目指す技術開発が大切な条件になっていますが、どのようにして、循環型社会に役立つ技術開発を実現できるかと考えてみますと、方法論がなかなか見えない難しい問題です。私は、強いヒューマンネットワークの中で、多くの方が、色々な観点から切磋琢磨し協力し合って出来上がった技術が、社会的にも受け入れられる循環型社会を牽引する技術になるのではないかと考えています。日本混相流学会の強いヒューマンネットワークを活用して、経済性・社会性を皆で議論しながら、新しい技術を作り上げることが重要であり、社会に受け入れられる技術を作り上げる上での学会の役割は、今後より大きくなるものと思います。

三つ目は、社会との接点を大切にしていきたいと考えています。現在、混相流の分野は、社会的に大きな関心を集めていると思います。マイクロバブル・ナノバブルの分野が新技術の可能性として注目されています。この点での学会の役割は、学問的観点から皆で検討し、どこまでわかっているのかを含めて技術の現状を示し、社会にフィードバックをかけることが大切と思われます。医学の分野の人も含めて、多くの分野の方々を日本混相流学会に誘って議論し、社会をリードすると共に、世界をリードしていきたいと思います。このような社会との接点を大切にしていくことで、社会の中で存在感を増し、社会に信頼され、期待される学会になることに貢献できると思われます。

上記の活動を、皆様と一緒になって推進していきたいと思いますので、ご支援・ご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

独立行政法人 産業技術総合研究所

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